ゴミ屋敷の原因

ゴミ屋敷になる原因について、以下のように3つの大きな要因に分けて説明します。

1. 経済的な要因

収入が極端に少なく、生活に余裕がないことが大きな要因の一つです。ゴミ袋代や収集手数料を払えず、どうしてもゴミを家に溜め込んでしまいます。また、食料の確保も難しいため、賞味期限の切れた食品を捨てられずに溜め込むケースも多くあります。生活保護を受給していても、支給額が十分でない場合もあり、貧困から抜け出せずにゴミ屋敷化が進行します。

2. 精神的・身体的な要因

強迫性障害(OCD)やうつ病、認知症など、精神疾患や身体機能の低下がゴミ屋敷化を引き起こします。OCDにより、ゴミを捨てられない強迫観念にとらわれてしまったり、うつによる無気力や認知症による判断力低下で、ゴミの始末ができなくなるのです。また、身体障がい者や独居の高齢者では、ゴミ出しそのものが困難になります。

3. 社会的・家庭的な要因

ひきこもりや社会からの孤立が背景にあり、人との関わりを持てずにゴミを溜め込んでしまう人が多くいます。また、家族間の対立やDV、虐待環境では、安心して生活できずにゴミを片付ける余裕がありません。逆に、単身世帯や老老介護の世帯で、家族からの支援が十分に受けられないケースも多くあります。

このように、ゴミ屋敷になる原因は単に生活習慣の問題ではなく、経済的要因、精神的・身体的要因、社会的・家庭的要因が複雑に絡み合っているのが実情です。一人ひとりの置かれた環境を丁寧に把握し、個別の事情に応じた総合的な支援が不可欠となります。経済面でのセーフティネットの拡充や、精神科医療の充実、地域コミュニティの再生など、様々な角度からの取り組みが求められています。